ねえねえちょっと

映像(映画ドラマアニメなんでも)音楽が精神安定剤。

【映画】FLY,DADDY,FLYを語る

図書館戦争にドハマりして以来、岡田准一が出ている作品をどんどん見始めまして、2ヶ月ほど前にこの作品を遅ればせながら鑑賞致しました!
2005年公開作品ということで、だいぶ前なんですね!しかしとっても魅力的な作品でした!
あの金城一紀さん原作の小説を実写化した作品です。原作はこちら。シリーズ物の一部のようですね。

フライ,ダディ,フライ (角川文庫)

フライ,ダディ,フライ (角川文庫)

しかし今回も私は原作未読で映画を見ました。
私の感想はあくまで映画を観た感想になります。
ご了承ください。

主演はストイックな筋肉さんこと岡田准一
そして最高にいい男堤真一との共演。
そう!SPシリーズでの宿命の2人です!笑
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☆★☆
まず、岡田准一のビジュアルが素晴らしい!
少し襟足長めの、まさにイケメン期ですね!
そして黒いタンクトップ(でよい?)が好きすぎてたまらない!
私的には30代に入ってからの岡田准一が好みなのでこの頃の良さに今になって気づきました、、!
どこから見ても完璧なお顔立ちは、私と同じ人間だとは思えない、、。
身体もまだ筋肉もりもりではないのでスラっとしておられます。
でもこの作品での岡田准一の役どころは喧嘩の強い高校生。だからなのか、この時点ですでに現在のようなガッシリとした男に成長する予感を感じます(笑)
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☆★☆
白黒から始まった時は、デッキが壊れているのか?と疑いましたが、白黒だからこそ一連のシーンの気味の悪さが際立っていたように感じました。
鈴木のおっさん(堤真一)の娘を暴行した石原という生徒の頭のイカれた感じも、石原の親の権力が怖い石原の学校サイドの連中も、白黒だから余計に狂ってる感じがしましたね。
どこか別の世界の話、というか異空間に迷い込んだような息苦しさ。こいつら人間か?と思ってしまうような事務的でロボットみたいなやつら。白黒の世界がゾワゾワと現実を蝕んでいくような感覚。
だからなのかその気味の悪さが一気に吹き飛ぶように、画に色が着いた瞬間はすごく世界が広がって見えました。
鮮やかで強烈。朴舜臣[パクスンシン]くん(岡田准一)が飛んでいるところはとても神々しかった!




☆★☆
娘の心を取り戻すため、石原に戦いを挑むことになる鈴木のおっさん。このあたりの展開はなかなか現実ではお目にかかれないのでフィクションらしいなと思ったしスンシンくんに強くなるための特訓をしてもらうことになるのも、めげずに毎日頑張って特訓を続けるのもフィクション作品の醍醐味な感じ。
現実的ではないけれどわくわくしちゃいますね!
特訓で日に焼けて鼻の頭が真っ赤になってるおっさんが可愛らしかったです(笑)



☆★☆
おっさんがバスと競争し始めた時はびっくり!
でもそれぐらい本気で強くなろうとしているおっさんの気持ちはすごく素敵!
石原との決戦の前、ついにバスとの競争に勝ってしまうところは泣いちゃいました、、!
おっさんを見て今まで鼻で笑ってたバスの乗車客の皆さんも思わず窓開けて応援してるし、それ見て胸が熱くなりました!
がんばれがんばれ!って自分と親しくない人から言われるのって客観的に自分を見たうえで声援をくれるってことなのかなと。自分がなぜこんなことをしてるか理由も知らない人たちなのに自分の努力に胸を熱くして応援してくれる。すごいですよね。
その熱い気持ちの連鎖が画面の向こうの私にまで伝わりました。熱いです!




☆★☆
スンシンくんのお友達の皆さんもすごくいい味出してる!
おっさんを賭けの対象にして楽しみながらも強くなろうとするおっさんを自分達の出来る範囲で手助けしていく。まさに素晴らしき若者たち!
賭けをしてるのだっておっさんを馬鹿にしているわけではないし、それはそれ、これはこれ感というか。しかも夏休みだしー?みたいな感覚好きですね。おっさんが知らぬうちに奥さんや娘さんとコンタクトを取っちゃう行動力も愛しい。
しっかりしてる子たちなのに、遊園地のチケット貰ったら奇声あげて走って入場しちゃう学生らしさも素敵なギャップだったなと。
愛しい奴らでした。
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☆★☆
賭け云々がバレた時のおっさんは痛々しかったけど、よくあそこで耐えたなおっさん。。
強くなろうと頑張るおっさんだって、どこにでもいる家族を養うために頑張るお父さんの一人。
仕事のこと、家のローンのことと頭をよぎり泣いているところは切ない。
それまでの展開がフィクション味が強かった分、いきなりここでリアルな問題を持ってこられ、急に現実に引き戻された気分でした。
しかしそれでも耐えて強くなろうとしたおっさん。とても格好良かった!
距離のあったスンシンくんとおっさんも、これ以来グッと仲良しさんに。
おっさんがプレゼントした靴を履いているのを見た時は、ほっこり。ほこほこです。





☆★☆
朴舜臣くんについて。
彼は在日朝鮮人で、幼少期に通り魔事件に遭い殺されかけます。
外国人の雇用が増え、それによりリストラされたサラリーマンがたまたまスンシンくんの家の前を通り、そこにたまたまスンシンくんが出てきた。そしてスンシンくんのお家が「朴」の表札を掲げていた。ただそれだけで刺されてしまうのです。なんと酷い。。
その時スンシンくんは自分を守るために強くなろうと誓うのです。まだまだ幼い少年が強くなった理由がこれって。幼いスンシンくんから、周りの少年と同じように誰かに甘えるということを奪ってしまうなんて。。。
スンシンくんは一見、冷たい人のように見えるけど実はとても心優しくて誰かのために動ける人。
繊細な心を持った青年だと思います。
幼少期の通り魔事件はスンシンくんから大人を信頼する気持ちと大人へ甘えるという行為を奪ってしまった。だからおっさんとも最初打ち解けにくかったのかなと。。
おっさんとの距離が縮まった時のスンシンくんはとても可愛らしいです。

「早く強くなって俺を守ってくれよ」
このセリフをおっさんに言ったスンシンくんに大泣きしました。。
強くなったスンシンくんはその力で自分を守ることはできても、自分自身を誰かに守ってもらうことは期待してなかったんじゃないかと。やっと認めることの出来る大人(おっさん)と出会えたスンシンくんの最大限の甘えの言葉なんだと解釈し号泣です。

刺されて入院中、外が怖くて病院から出られなくなった彼の話は、おっさんの娘の現状とリンクしていてドキッとしました。スンシンくんは誰かにここから連れだしてほしいと望み、しかし誰も連れだしてくれないと気づき己自身が強くなることにした。でもおっさんは娘を連れだしてあげることができるだろ?と投げかけているようでした。
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☆★☆
幼少期に心と身体に傷を負ったスンシンくんだからこそ、誰かを傷つけることがとても恐ろしいことで、そして傷つけられた側の痛み苦しみも痛いほどわかるんでしょうね、おっさんには本当の意味で強くなってほしいと様々な言葉を投げかけます。
おっさんは石原との決闘中、徐々に優位になり石原に殺意を抱いてしまう。もちろん殺しはしませんでしたが。決着のつけ方、ですよね。本当の意味で強くなったのなら、勝利する=白黒決着をつけるということではないのだと。この時のおっさんは殺意を抱いていたからなおさらですよね。スンシンくんの鋭い目は、まるでおっさんを試しているかのように感じました。
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☆★☆
勝利後、おっさんに抱きつくスンシンくんにほろり。おつかれさまでした!(ご苦労様でした!かも)と初めておっさんに敬語で話すスンシンくんは、おっさんを信頼し、認めているのだなあ。
歳相応の笑顔を見せてくれるスンシンくん。おっさんの力強い笑顔も魅力的です。
その足で娘の元まで走るおっさん。
スンシンくんが「翔べ!」と言った時の、両手を広げて走るおっさんの画はすごく綺麗だった。
広げた両手に重なるように横に伸びる雲がまるで羽のよう。綺麗な青空と翼の雲で、まるで本当に飛んでいるみたい!すごく綺麗なんです!
戦い終えて勝利を勝ち取った男の背中。本当の意味での強さを手に入れた男の背中です。
あのシーンはすごい。見たら勇気が出ます。
視覚的にも綺麗な空と雲のコントラストに、飛ぶように走るおっさんの画はすごく爽快で、まるで朝日を見ているみたい。新しい朝がきた、という感覚。
いろいろとリセットしてまた頑張るか!って。





☆★☆
主題歌のMr.Children先生も最高です。
余韻に浸らせてくれまくりの1曲です(笑)
とにかくフィクションの醍醐味全部詰まっているような胸熱な作品です!
観たあとに、苦手なことや面倒くさいことにも果敢にチャレンジしよう!片付けてやろう!とすごく前向きな気持ちになります!
青春ど真ん中というか、心が熱くなります。
ぜひ。

フライ,ダディ,フライ [DVD]

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